弾力があり、噛めば噛むほど出てくる魚の旨味
飛魚を原料に出雲に伝わる地伝酒と製法で作るちくわ
島根県の県魚でもある飛魚は旨味の強い魚。昔から出雲地方で「野焼きちくわ」の原料として人々に親しまれてきました。この飛魚を使ってツヤのあるすり身を練っていきます。塩を加えると柔らかく、すり身が一体化します。
飛魚の旨味を引き出し、青魚独特のクセを消すために使われるのは出雲で作られた地伝酒です。のやきちくわを焼き上げる際に焼き皮が香ばしくなり、ツヤが出て砂糖の甘さではない甘味を与えます。
焼き棒にすり身を形成し、少しずつ温度を上げてゆっくり焼いていきます。棒は高速で回転し、均一に加熱。表面の水分だけが無くなると皮が硬くなってしまうため、針を打って穴を空け、皮の出来栄えを整えます。
ちくわを焼く時間に火加減、回転数、針の打ち方。その日の天気や湿度も加味しながら、職人の培った感覚で調整しています。ちょうどよい厚さの皮と香ばしさ、きれいな焼き色はこの工程で決まります。
のやきちくわは煮込んで食すのではなく、そのまま生で食べられてきたため、上下部分も全て焼く全焼きのちくわです。嚙めば嚙むほど飛魚の味が出てくるのやきちくわ。ぜひそのまま召し上がってみてください。